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桂の小部屋

管理人のネタ帳&ぼやき…

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 誰も居ないかな、と思っていたのですがっ(笑)
「みーてーなーいーっ!」という、御言葉をいただいたのでっ。
4日の時間限定UPより、「4坊現代風パロ設定」より過去話しを再UPしてみました!
此方は、撤去とかしないので(笑)御存分に…、過去4主とテドさんを御覧下さいまし。


…………、絵の練習は出来てないです。だって、製本のが大事だからっ!と、云いながらもひと息入れたい時とか、10分くらい絵チャでごりごりと…得体の知れないものを描いていたりっ(笑)
今は、先日の絵チャでN瀬さんに御指南いただいたので、「お絵描き講座」をUPされているサイト巡りをしています。
うぉっ、すげぇ…というサイト様が一杯っ!
色塗りの極意(笑)……の前に、基本操作とか勉強したいです。うん、頑張ろうっ!
そして、何時かジアース塗るんだいっ!
………、済みませんっ、いま「ぼくらの」波にさらわれてま…す。
石川智晶さんの歌が、良すぎるのが悪いんだっ…きっとそう…だっ。


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※4坊現代風パロ設定
※詳しい設定は、過去分の4坊にて(笑)
※格好良く書こうとして、失敗?した(笑)






 国の未来を憂うふりをし、己の野心を叶えようとする者達に囲まれていた少年王は、去り際にある言葉を残した。
『忘れるな。クレイ商会に繋がる全ての組織、人、物、ひとつとして例外なく――我が滅ぼしてやる』と。

 彼の王の呪詛は、この6年後果たされる。
数千の命を刈り取るという恐怖を具現化した少年王の名は、歴史の闇へ葬られた。

 

 


「うおーい、飯だぞっ!」
 船体の揺れに足元をふらつかせながら歩く青年が、二つ下の同僚を呼ぶ。
甲板の更に上、操舵室の屋根に乗っていた彼は、ひらりと手を振ると身軽に第二デッキへ飛び降りた。
 炎天下に肌を曝し働いているにも拘わらず、目の前の少年は自分達よりも色白だ。成長途中の身体は薄いがしなやかな筋肉で覆われ、一見華奢に見えるけれど恐ろしい瞬発力を持っている。
無造作に伸ばした茶金の髪が腰にまで届いている為、初対面の者で彼を男性と思う者はまず居ない。通りすがりの老若男女の視線を釘付けにする艶やかな美貌を持つ彼は、襟足で一つに括られている髪を乱暴な手付きで払った。
『特別なケアもしていないのに、あの方の髪は世の常識を完璧に覆してますね』
 先月まで世話になっていた海洋研究所の少女が、奇跡のキューティクルを羨ましそうに見つめていたのを思い出す。
『うん、まぁ、それは…な。アイツは色々と常識外だから…』
 同僚としてフォローしようにも、更に墓穴を掘った感のあるテッドだったりする。
「連絡はついた?」
「んにゃ…まだ。彼方さんの出方待ち、ってトコか?海が時化なければ停泊して待つつもりだと、船長が…」
「止めた方が良いよ、今夜は…ちょっと荒れそうだ」
 深海の蒼と南の澄んだ碧を合わせ持つ、神秘の眸が水平線を見つめる。どんなに容姿が儚い系美人でも、彼の場合その眸だけで対する者を制してしまう。
これ程の覇気を持つ人物を、テッドは未だ知らない。そして、思う。
 何故に、あの国の者達は彼を殺したのだろうかと。
「ん?なに、俺の顔に何かついてる?」
「や、べ、べ、別にっ…俺は、…そ、そのっ、は、始めて会った頃を何となく思い出してっ…」
 実は見とれていたのだと、死んでも云いたくなかったテッドの苦し紛れの言い訳に彼は目を丸くし、やがてゆっくり破顔する。
「テッドは、初対面から態度デカかったよね?」
 俺、一国の王様だったんだけどなぁ。
ほんわり笑う顔に浮かんでいるのは、親しい者への友愛の情。
男の事情として、余り息子を刺激する良い笑顔を向けてくれるなと云いたいテッだだったが、綺麗なだけの人形でない事は身を以て知っているので、何とか熱を押さえ込む。
「お、おぅよ!彼にとっては、国なんかより切実な問題があったからな」
 皮のグローブに包まれた右手を挙げてみせると、彼も真摯な表情になり頷いた。
テッドが始めて彼と会ったのは、事も有ろうか国内で一番警備の厳しい王宮、それも国の主たる王の私室だった。

 科せられた運命を打開する為に、どうしてもある遺跡へ入る必要があって。頭の中はその事だけで占められており行動を咎める者も側に居なかった為、単身オベルの真王の部屋へ潜入した。
『―――何処から入った鼠か知らぬが、生きて出られると思うな』
 目的のものを探し華美でない室内を物色していたテッドは、声と同時に組み伏せられ喉へ切っ先を突き付けられた。
ヤバイと思った時には、宿主の危機を感じ取った右手の闇がぞわりと蠢き始めていて。テッドは己の命乞いでなく、部屋の守人たる者へ叫んだ。
『俺……をっ、怒らせるなっ!』
 頼む、俺はアンタを殺したくない。
王の居室に潜入した者の言葉とは思えない叫びに、長身の男の手が止まる。クス、と澄んだ笑い声が聞こえ眼だけを気配の先へ向けたテッドは、阿呆のように口を開いたまま固まった。
『その者を自由にしてやれ、トロイ』
『我が君、です…が』
『彼はいつもの刺客達とは違う。放しても大丈夫だ』
『ハッ』
 剣を引いた男の手が離れても、テッドは立ち上がれなかった。
夜着の上に上質の長衣を羽織った美少女が、月明かりを浴び其処に佇んでいた。少なくとも、これまで生きてきた時間の中で、ダントツ一位だろう美貌の主を凝視したままのテッドは、美少女が踵を返すのに慌てて居住まいを正した。
『ぁ、の、俺は…っ』
『小僧、我が主の慈悲に感謝するが良い』
『ち、違うんだ…っ。俺はただ…、この国にあるっていうシンダル遺跡の入口を…』
 知りたくて、と言いかけたテッドは隣室へ消えた少女が手に何か持ち現れたのに頬を染めた。
『何故にあの遺跡を求める?』
 関係ないと、いつもなら突っぱねる問いだ。だが、護衛の男が灯した明かりの下煌めく碧が、嘘も方便も許さないと雄弁に語っている。何よりテッド自身が、この碧を裏切れないと思い始めている事が不思議で、座を崩し立ったままの二人を見上げ話し出す。
『アンタ…さ、真なる紋章って知ってるか?』
『この世に27存在すると云われている、神の力の事か?』
『神…ね。んな立派なもんじゃねぇよ、コイツはさ』
 右手を閃かせ、テッドは年齢に合わぬ疲れた笑みを口元に浮かべる。
『呪われてるんだ、コイツに…。全部の紋章は、大なり小なり全て…強い呪いに縛られてる』
『そなた、――継承者…か?』
『好きでなったんじゃねぇよ、取り憑かれたんだ…問答無用でな』
 そして、でっかい呪いを背負わされた。
人の世に放てば乱を呼び、生有る全てを喰らおうと闇の触手を広げる紋章。コイツの封印方法がオベルにあるという情報を聞き、やって来たのだと白状したテッドは美少女へ土下座した。
『アンタには関わりない事だと、判ってるっ。けど…俺はどうしても遺跡を調べなきゃならない、頼む…鍵を…』
 何かがぶつかる音が聞こえて、顔を上げたテッドは目の前に転がっている古い鍵に驚く。
『こ…これっ?』
『持って行くが良い』
『だ…っ、でも…本当にっ?』
 いいのかと、興奮気味に問うテッドへ少女はゆるりと頷いた。
『この国は…多分もう、長くはない。お前の知りたい事も…調べたいものも全て、私欲を優先する者達によって壊され闇へ葬られるだろう』
 愚か者達へ渡すくらいなら、切実な事情を抱えている者が使う方が何倍もマシだ。
遺跡はオベルの近海、つまりは海底に在る。正確な位置のポイントも教えて貰ったテッドは、自分なりの誠意を示す為再び頭を下げた。
『済まないっ、助かった。俺……の名はテッド、アンタ…はえーっと…』
 名前を調べる間も惜しみ王宮に入り込んだのだと照れる賊へ、漆黒の衣装を纏っている青年が朗々と告げた。
『此方の方は、恐れ多くもオベルの真王、アーディルクロス・ヴェルゼ・ラ・クルデス様で在らせられる。王の今宵の恩情を、決して忘れるな』
『王……っ、てぇぇ!お、男ぉぉっ?』
 嘘だろうっ、と叫んだテッドの頬に銀の刃が突き付けられる。
慈愛の笑みを浮かべたまま、だが手に短剣を握っている美少女…にしか見えないオベルの若すぎる王は、侵入者の唇を人差し指でなぞる。
『二度目は無いぞ?』
 努々、忘れるな。
己の右手の紋章に恐怖を感じた事なら幾らでもあったが、明らかに自分より年下の少年に吐息が触れる程近くで微笑まれたほうが怖いだなんて。
笑えないと、テッドはがっくり肩を落としたのだった。
 その後テッドは、海底遺跡の調査に向かう為、船や機材を準備しなければならず一度オベルを離れたが、知人達の住む土地でもトップニュースとして伝わってくるオベルの情勢は、幼い王にとって酷なものばかりで。
 何故、今なんだ?――と何度も悔やんだ。
国が改革の波に呑み込まれるのがもう少し後ならば、最高の王を戴いたオベルは未曾有の危機にも揺らがなかったに違いないのに。王の人柄に触れたテッドは、大人しく見ている事も出来ずに知り合いの情報屋にオベルの改革劇の裏側を探って貰った。結果、歴史在る王制国家を人々の為という大儀を以て共和国制度へ移行させようとする者の影に、全世界へネットワークを広げているクレイ商会が居る事を突き止めた。
 暴動は起きていないが、共和国移行に頷かない12歳の王は命の危険すらある場で、独り戦っている。
どうか無事で居てくれと、全ての準備を終え祈るようにオベルへ戻ったテッドは遺跡調査の為海底に潜った夜、其処で――償いと許しを司る冥王が誕生した瞬間をその眼で目撃する事になったのだった。

「君が王宮に忍び込んで来なければ、面識の無い俺は君の仲間に助けて貰えなかった。巡り合わせ、というものが確かに存在していると…感じるね?」
「あぁ…」
 その通りだ。
彼の左手の紋章は、取り憑いたのではなく彼自身が紋章に選ばせ宿したのだと云った。そんな事が可能なのか?半信半疑のテッドに、彼は宿して間もない紋章を操ってみせたのだ。
 望んで手に入れた者とそうでない自分の違いか、罰の紋章はテッドを狙う者達が放った刺客の群れを、一瞬で焼き払った。未だ己の紋章を受け入れられないテッドは、年下の少年を羨望をもって見つめる。
『………いつか、俺も…お前のように生きられる時が来ると思う…か?』
『自分次第だろう。私は、最後に己の命の使い道を取り戻す事が叶ったから…』
 紋章の持つ呪いも、望みも。
全ては継承者次第で変わると云った少年王は、名と国を捨て野に下り――今に至る。 
 真の紋章を持つ苦しみを抱えたまま、自分は彼のようには生きてはいけないが。
「テッド…?」
「何でも…ない」
 背を見つめているだけでなく、彼を越えられる勇気を持とうと強く願う一方で。
たった一人の騎士の為に、巨大企業を末端まで壊滅せんと目論んでいる苛烈な王を、哀れに思うテッドだった。



 4日の限定品でした(笑)
まるで、幻水4時のテドさんのよ…うっ。うん(笑)
この2年後に、4主による「償い」の執行があります。上記は16歳設定……、16歳って少年でいい…んだよね?と、一人呟きながら書いていた一品です。坊が出てこないのに…4坊とか云わなきゃいけないの、結構辛いっスねっ!

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