桂の小部屋
管理人のネタ帳&ぼやき…
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新刊の表紙印刷の為、某大型家電店へ行った…のだがっ!
お店が移って、新装開店…オープニングセールの初日だけあって…。
混んだ、マジで。
こんなに何処から人が集まってきたんだって、思う程…。
開店時間2分前、最後尾札のトコに並んだ………、列が動いたのは20分後、店に入れたのはその20分後。
プリンターのインクだけ欲しかったのに、でも…並ばないと入れなかったんだっ(涙)
整理番号は、1291だっ…た。
当分、あの店には近付かないようにしよ…う。
と、思った。
<下記は以前書いた4主×坊のつづき…>
※現代風パラレル、なので、要注意!
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◆坊/ラルクファルト・マクドール 愛称/テドさん専用:ファル、友人専用:ラルク、4主だけは、ルーファと呼ぶ。高校3年の受験生、マクドール財閥の子息。一人暮らしのペントハウスで、4主と同棲中(笑)生と死はまだ、継承していない。
◆4主/アーディルクロス・ヴェルゼ・ラ・クルデス(本名):普段は面倒なので、デイルと名乗っている。クルデスの名は使えない、「オベルの冥王」だとバレるから(爆笑)坊だけアークと呼ぶ。
25歳独身、王制国家から無血で共和国となったオベルの、最期にして最強の覇王。クレイ商会を全滅させた張本人。唯一の騎士の名は、トロイ(笑)罰の継承者。
上記でも大丈夫な人だけ、どおぞっ(笑)
『私の命が果てる場所が、殿下のお側とは限りませんので』
その時はどうか、荼毘に付した骨を海へ流して欲しいと彼は生前言い残していた。
店に入って直ぐ目に付いた薔薇を花束にして貰い、後部シートに載せ走り出した車の助手席には、居心地悪そうに少年が座っている。
「何処から出したんだ、この車…」
「知り合いから借りたんだよ、定住しないと…管理とか難しいしね」
便利なんだけど、と笑う彼の普段の足は、専ら二輪だ。着やせしている彼だが、実は結構鍛えているのは身を以て知っている。倒れたバイクを簡単に立て直している背だけ見ても、綺麗に付いた筋肉の動きが判るからだ。マクドール家のボディガードから直接技を伝受されているラルクを軽くいなしそのままベットへ直行…、という過去の失態まで思い出してシートの上で膝を抱えた。
「ルーファ?眠いなら、着くまでシートを倒してて良いよ?」
「………眠い訳じゃない」
「気になる?」
騎士と呼んだ人の事が。
アーディルクロス・ヴェルゼ・ラ・クルデス、それが彼の真の名前。だが、その名は公的にも歴史からも抹消されている。
共和国となったオベルの――最期の王。
若干12歳にして王座を継承、その一ヶ月後に病死と発表され――王を失った国は共和国へ変えられた。
「無血改革」と呼ばれ、数多の歴史書に苦渋の決断を下した前王「リノ・エン・クルデス」の名は記されているけれど、陽が指さぬ裏舞台では血塗られた継承劇が繰り広げられていた。
『国が欲しければ、くれてやる。だが、我が血肉に等しき部下の命を奪った償いは、受けて貰うぞ』
腹心達に次々裏切られ、家族とも引き離された12歳の王に突き付けられた無慈悲な決断。
玉座から引きずり下ろされた少年王は、恐ろしい宣言を残し人々の前より姿を消した。幼き王の不幸を悲しむ者も居たが、国の重臣や改革に乗り気であった者達の殆どは、その呪詛を子供の戯れ言と聞き流していたのだ。
恐怖が現実となったのは、オベルが共和国に変わった6年後。
最初は何が起きたのか、誰も想像さえしていなかった。クレイ商会に融資を行っていた銀行重役の相次ぐ悲報、商会の取引先相手の倒産や幹部の死亡広告が新聞を騒がせるようになってから始めて、当時オベルで宰相だった者が少年王の言葉を思い出した。
『忘れるな。クレイ商会に繋がる全ての組織、人、物、ひとつとして例外なく――我が滅ぼしてやる』
商会に名を連ねているだけの末端の雑貨屋が次々に原因不明の出火で消失、ただ一人も生き残りの居ない状態を知った宰相は、恐怖で気が触れ自殺した。彼の遺書を読んだ、当時改革に関係していた者達は少年王の御霊に許しを請う為、神父へ真実を告白した。
王は病死ではなかった。震えながら洩らされた懺悔の言葉を聞いた神父は、数千人に上る死者を出した呪いの原因を知り涙したという。
アーディルクロス・ヴェルゼ・ラ・クルデスは、改革を望む者達の手でオベルの海底遺跡へ生きながら人柱として沈められていた。
公には決して出来ない事実に蓋をし続けてきた者達は次は我が身と死の恐怖に怯え、ある者は気が狂い又ある者は自ら命を絶った。唯一生き残った商会の会長であり改革の首謀者だったグレアム・クレイは、快晴のある午後自宅前に倒れている処を発見された。彼は既に死亡しており、死因は落雷(のようなもの)を受けた事による感電死と発表され、オベル改革の関係者は王の宣言通り一人の例外も許さず、滅ぼされたのだった。
「あれは頑固な男でね、下手を打って自分が捕らわれた時…命乞いもせず死を選んだ」
誰も失いたくなかったから、それ程に欲しいのならば国をくれてやろうと思っていた。彼にとっては、国よりも大切な人達の命のほうが重かったのだ。
だから騎士たる男の右手だけが脅迫状と共に送られてきた時、彼は決めた。力で全てを行おうとする愚か者達を、唯一人も許しはしないと。
「……でも、アークは…生きてる」
「俺は運が良かったんだ。海に沈められた時、偶然…遺跡の調査に潜っていたテッドに助けられた」
実際はそれほど簡単では無かったのだが、今はまだラルクに知らせるつもりは無い。
呪ったのは確かだ、己の非力さに泣いたのも。数千の命を嬉々として喰らって彼を真の冥王としたのは、人知の及ばぬ存在達が味方した結果だった。
(まぁ、感謝はしているさ)
自分一人だけで全ての復讐を行おうと、約30年越しでの抹殺計画を立てていた。紋章の関与で実に呆気ない幕引きとなったのは、残念だったけれど。
(アレの恨みが晴らせたのだから、良しとする…か)
何気なさを装い己の左甲に口付けて、彼は先刻よりも不機嫌になった少年の髪を撫で微笑んだ。
楽しすぎ…るっ(笑)つ、次は…真の風持ちルッくん(坊と同級生)を書きたいっ!
ぷぷぷぷぷ。