桂の小部屋
管理人のネタ帳&ぼやき…
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自分が忘れない内に、書いておこう。
4主×坊を(笑)
という事で。
下記はメモっポイものです。
後に部屋が出来た時に、きちんと書き直しますので。
※4主坊好きさんのみ、御覧下さい。
※現代風パラレル許せる人のみ、どうぞ。
※管理人は、4主至上です。坊が酷い目に遭ってる時もあります。
坊至上の方は、見ない方が良いです。えぇ、読後のイチャモンはスルーです。
上記でOKの豪気な方のみ、どおぞ。
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「お前はどちらを選ぶのかな?生かすのか…滅ぼすのか…」
危機感が足りていなかったのかもしれない。
彼と一緒に居る時間が多くなればなるほど楽しくて、何処かむず痒いようなくすぐったいような優しさに大切にくるまれて、心地良い幸せに浸っていた。
彼は、自分と付き合うリスクも全て、理解した上で側に居てくれたのだと。
失って、始めて知った。
どれほど自分が愚かで、傲慢だったのかという事も。
「診断の結果は、後ほど閣下の端末へおくらせていただきます。ラルクファルト様の健康状態は良好、感染症の心配も今の処は…」
纏まらない意識の中、必死に眼を凝らして自分の置かれている状況を知ろうとするラルクは、マクドール家主治医の声に応える人が誰で、此処が何処なのか知る。
「―――は、始末しておけ。これは本家へ移す。護衛には、アレンとグレンシールを」
「……畏まりました」
「グレミオは……ている?」
「ラルクファルト様が……お戻りになっても良いように、……の支度を」
「学校への手続きもある、レオンに後で私の処に来る様伝えておけ」
「報道関係へは?」
「レパントが……するだろう。急げよ」
「ハッ、ただちに…」
失念していた。
彼との日々が楽しすぎて、自分達の恋が決して許されないものだとは考えていなかった。
伸ばした手を迷わずに掴み抱き寄せてくれた彼を、自分は…。
自分の…父は。
「………いているようだ…?」
「多少意識が戻っておられ…かもしれません。新しい薬を処方……おきましょう」
嫌だ、眠りたくなんかない。
自分が好きにならなければ、彼は死なずに済んだのに。
もう会わないと、咎めるグレミオに伝えた筈の言葉が……。
(………うか、お前が…)
決して他言しないと約束したグレミオが、伝えたのだろう。一人息子の情事の相手が、同性であると。何処の何者なのか知れぬ男との情事に明け暮れる自分を更生させるには、父に縋るしか無いと生真面目な彼は考えたのだ。
そしてアークは、父の手の者によって―――暗い海へ。
(僕は…馬鹿…だっ……)
引き離され自宅へ戻されたラルクを待っていたのは、筆舌に尽くし難い屈辱の日々だった。抵抗する身を取り押さえられ薬で自由を奪われた後始まった健康状態のチェック、全身の洗浄、特に男性性器への検査は執拗すぎる程綿密だった。超マイクロカメラを後孔に入れられ、彼にしか許していない箇所を暴かれる。十数回に及ぶ洗浄で、全ての名残は奪い取られて。
「綺麗なものですなぁ…、余程相手の男が手慣れていたとみえる…」
男に汚された息子を真っ新に戻そうとでもいうのかと、指一本動かぬ身体で何度叫んだ事か。テッドを失った時にもう絶対に泣かないと誓った、けれど今眸から溢れる涙は。
「御身はマクドール家の礎となられる大切な身、なぁに…直ぐに新しい相手も見付かりましょう」
自尊心を貶められた事ではなく、無力な己に対する怒りの為、だった。
「此処は良い風が吹いているだろう?少し、休んでゆくが良い」
長い黒髪を風に遊ばせ、見渡す限り緑の続く草原に立つ女性は、漆黒のドレスを纏っている。強靱な口調が似合う、美しき女性。切れ長の眸は血のように紅く、ふっくらと形の良い唇と同じ色を湛えていた。
「………あなた…は……、はは…ぅえ?」
「はっはっはっ、そう呼ばれるのも久しぶりだ。大きくなったな、―――倅よ」
ラルクが7歳の夏、マクドールの別邸で彼女は死んだ。
夫たるテオに看取られる事なく、彼女は幼い息子の目の前で亡くなった。
国一番の資産家の妻として、何不自由なく暮らしていたはずの彼女が何故。
自ら死を選ぶ等信じられない―――、母の遺体を前に呆然と立ち竦むラルクを抱きしめ呟いたグレミオの声が、脳裏に蘇る。
「母上…はっ、死んだ…のではっ?」
「そうだ。私は確かに死んでいる…が、今のお前も――同じだろう?」
生者は此処へは来られない。生きながら屍のような身へ墜ちたお前だから、此処まで辿り着けたのだ。
人ごとのように笑う彼女は、彼方を駆ける駿馬達を優しい表情で眺めている。
「何故っ、母上…はっ!」
「私はな、殺される訳にはいかなかったんだ。いいか?――殺されない為には自ら死ぬしかなかったんだよ」
「?云っている…意味が…」
判らないと首を捻る息子の様子に、彼女は苦笑した。
「私は…テオに金で買われた女だ。華族と…云えば体裁も良いが、落ちぶれ…後は取り潰しを待つだけだった古い家に生まれたのが、私の不幸の始まり…」
其処の長女として生まれた彼女は、地位や財産を欲する者達の中で異色を放っていた存在だった。名に仕える者達と語り、古い家を捨て馬と共に生きる彼等と生活するようになった彼女に、両親や兄達も呆れ果てていたのだが。
「だが、私の家の者達はそれを許さなかった。自分で云うのもおこがましいが、相応に整っていた顔故に…上手く利用された」
馬たちと草原を駆けるほうが楽しかった彼女を、人形のように着飾らせ社交界へ送り込んだ両親は、マクドール家嫡男が娘に興味を持ったのに狂喜した。妻へと望まれ、けれど彼女は頑として輿入れを拒んで。業を煮やした両親は草原へ火を放ち、馬を飼い彼等と生きる者達を彼方へ追いやってしまった。
多額の支度金と引き替えにマクドール家に入った彼女は、入籍後にこう告げたという。
『お前の血を引く子は、生んでやる。それが妻たる者の義務だからな。この先お前に情など一切沸かぬ私を、飼い慣らそう等と無駄な事はするなよ』と。
「母上は…、父上を愛しては…」
「いなかったさ、勿論。私があの男と契ったのは、義務だからだ」
愛してもいない男に脚を開き、性を注がれ子供を孕む。義務だと思わなければ、自分は狂っていた。
「お前は違うのか?手当たり次第男を銜え込む程、淫乱には見えぬが?」
「ちっ、違うっ!僕……はっ、アーク……を」
「好いているから、受け入れられたのだろう?何時でも繋がっていたい程求める相手を得られる者は、世に多く居ない」
夫との距離を取る事で、彼女の精神は安定していた。それが狂ったのは、ラルクが7歳の夏。
「夫を助けもせず、離宮に籠もっている私を快く思わない者達が…あの年ついに動き出した」
以前から、食事が変な味付けだったり庭の隅で猫が死んでいたりと、奇妙な事が続いていた。夫の指示かは判らないけれど、何者かが妻たる自分を殺そうとしていると気付いた彼女は、口に含む全てを自身で管理するようになった。
「私は、コンクリートに囲まれた都会の中の…箱庭で死ぬのは御免だった。同じ死を迎えるのなら、良き風の吹くあの草原で…」
死にたかった。けれど。
「子育てを放棄していたが、私はお前への義務を忘れた訳ではなかったから」
母に会いたいとごねた子供を連れグレミオが離宮に現れ、愛しい我が子が小さなあめ玉を一つ差し出した時。
彼女は、眼を伏せたグレミオの様子から悟ったのだ。
「用意したのはグレミオ、渡したのはお前。知っていて受け取ったのは私、…選んだのも…な」
「……僕………がっ?」
「お前は何も知らなかった。知らせなくて良いと、私はグレミオに釘を刺して置いた。私は自殺するのであって、決して毒を盛られ死んだのでは無いのだと…な」
「僕がっ!母上…をっ!」
「間違えるな、選んだのは私だ」
拒絶する事も出来た、だが彼女は息子が差し出した飴を受け取り口に含んだ。
今日の真実は全て、秘されるだろう。ならば、最後まで息子には隠し通せとグレミオへ命じた。彼は、涙を零しながらも深く頭を垂れ頷いたのだった。
「もう…良いか、と思った。意地を張り…妻として留まっているのに、疲れていたんだよ」
還りたかったのだ、あの草原へ。暖かな陽の注ぐ緑の海で、馬達と一緒に駆けたいと。
「私は諦めてしまったが、お前は……?」
「……………」
「此処で果てるも良いだろう。醜悪な俗世から切り離された世界で、己の内に閉じ籠もっているのは…心地良いだろうさ」
だが。
「気付いていないだろうが、お前には牙も爪もある。望めば、大いなる力を手にする事も可能だ」
「………母上…?」
「その力で、誰を滅ぼすのか。誰を手に入れるのかは、お前が決めろ」
好いた相手を、滅ぼすほどに強い執着と恋情で縛れば良い。
邪魔する者達を、鋭い牙と爪で引き裂いてやれば良い。
「お前には、それが出来る。私の―――倅だろう?」
用意された道を進むのは楽だろう、けれど其処に望む者の姿は無い。
「戻るが良い、……冥王がお前を待っている」
泣きながら頭を振るラルクを一度だけ抱きしめ、彼女は少年の背を押した。
「生かすか…滅ぼすか…、自身の心に問うてみろ」
願わくば、己のように望みを捨てる事がないように。
「――――祈っているよ」
強烈な光で目の前が白一色に染められる。
眩しさに瞼を閉ざす瞬間、光の中へ消える母と、彼女の側に立つ男の姿が見えて。
「………アークっ!」
そして、少年は悪夢のような眠りから覚醒した。
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※交際発覚後の坊サイド(笑)4主はマクドール家のガード達によって、海に捨てられている(実は、ピンピンしているが…)自宅へ戻された坊、一時は生を諦めかけるけれど。母の助力によって、覚醒。以降、マクドール家を出奔…皇帝と呼ばれしバルバルとウィンディへ復讐を誓い、ついでにパパに強烈なパンチを食らわせるという、過激な倅へ豹変する(爆笑)
※この後、ソウルを継承の予定。
◆坊/ラルクファルト・マクドール 愛称/テドさん専用:ファル、友人専用:ラルク、4主だけは、ルーファと呼ぶ。
18歳。マクドール家を出奔後は、4主と共に行動。高校の卒業課程は通信で習得、ファレナの大学に通う事になる(この時期、4主はファレナス家の執事兼用心棒)ソウル継承後、闇王の名を戴く覇者となる予定(4主との仲を邪魔する者は、速攻―裁きっ!)
◆4主/アーディルクロス・ヴェルゼ・ラ・クルデス(本名):普段は面倒なので、デイルと名乗っている。坊だけアークと呼ぶ。
25歳。王制国家から無血で共和国となったオベルの、冥王。クレイ商会を全滅させた張本人。罰の継承者。
◆坊、母/名前…思案中
金で売られ(たと本人は思っているが)マクドール家に嫁いだ、絶世の美女。坊の美貌は母譲り。坊7歳の夏、離宮で死亡。自殺とされていたが、真実は……。
◆グレミオ/坊の世話役
坊の為ならば、他の誰を殺しても良いとさえ思っている。テッドの存在をチクったのも彼、4主抹殺作戦を実行したのも彼。坊復活後、迎えに来た4主の逆鱗に触れ右手を消失。ちょっと…イッちゃってる風に書く予定(汗)